断熱性能のUa値って?基準や目安について
こんにちは。株式会社三建副社長の中澤です。
昨今の家づくりにおいて、住宅性能は非常に重要視されてきています。
各社HPやカタログを拝見すると、Ua値・Q値やC値等の性能の表記を行いつつ、高性能をうたっている住宅会社が多くみられます。
数値を見ると、各社相当な性能であるように見受けられます。
でもそれはあくまでもカタログ上の表記であって、実際建てた家がその通りになっているかどうかはわからない。
そんな私の想いを下記記事に掲載しておりますので合わせてご覧ください。
https://www.e-sanken.co.jp/reportblog/reportblog-6722/
目次
断熱性能を表す「Ua値」
さて、家の断熱性能に関して表す指標は、現在では「Ua値」で性能を見るケースが一般的です。
Ua値とは?
Ua値とは、「外皮平均熱貫流率」の事で、現在の断熱性能の基準になるケースが多く見受けられます。
家の中と外の温度差が1度あるときに、家全体で外皮(窓や屋根、外壁など、屋外の空気に触れている部材)1㎡あたり、どのくらいの熱が逃げるかを示したものになります。
見方としては、Ua値は数値が低い方が断熱性能が優れています。
Ua値を上げれば上げるほど、温度差が少ない空間を実現できる可能性が高くなるため、その結果、ヒートショック等による心臓血管疾患による健康リスクが低減されるという事になります。
Ua値によって快適性や健康寿命への影響という部分でも大きく差が出てきますし、加えて健康リスクの低減による経済的メリットということも考えられます。
詳しくは弊社のカタログ「FORES・ZERO+(プラス)」をご一読いただきたいのですが、健康寿命差4歳による平均介護費用差320万円、単純に家族4人の医療費の差290万円(10年間の平均差)、その他「血圧」と「室温」との相関関係による最高血圧差、アレルギー性鼻炎や結膜炎、アトピー性皮膚炎、気管支喘息やのどの痛みとの相関関係、夜間の頻尿回数との相関関係等経済的効果以外のも多種多様な健康効果との相関関係も取り沙汰されております。
Ua値はどこまでの数値が必要か
上の章で紹介した「Ua値」ですが、低い数値をとれる住宅会社で家づくりをするに越したことはありません。
しかし、Ua値に限らず上を見れば見るほどキリがなく、その分建築コストも上がっていきます。
上の章で挙げた「家族全員が健康的で快適に過ごせる家」ということを大前提に、どのレベルまでUa値を上げていくことが一番コストとのバランスが取れるか?という視点で見ていったときに、下表が大いに参考になります。
この表は、弊社の「稲美の家」モデルハウス(Ua値0.25 *C値0.4 *ηAC値1.0)で光熱費(オール電化)のシュミレーションをUa値別に計算で求めたものです。
性能表示制度の旧最高等級である断熱等級4(Ua値0.87)と比較するとずいぶん光熱費に差が出てきますが(等級4と等級7で35年間で240万円差)、等級5から等級7で比較するとさほど変わりません。
ということは、経済的メリットの視点で考えたときには、等級5もしくは等級6以上であればいいのではと思われます。
あとは、健康的メリットを考えてどこを基準に考えていけばいいか?
もちろん、資金が潤沢にあればぜひ等級7を目指してほしいと思いますが、そこまでするには断熱仕様やサッシの仕様をかなり上げていかなくてはなりません。
経済的メリットと健康的メリットのバランスをとれば、等級6(Ua値0.46)をクリアするというところが最もバランスがとれているのでは・・・。
と私は思います。
私どもの会社のYouTubeでこのUa値について解説している動画もありますので、合わせてご覧ください。
最後に…
家づくりをする上で、建築コストだけではなく光熱費等の生活コストを考慮した家づくりを行う必要がある事は言うまでもありませんが、どのレベルまで高性能な家にするかは「経済面」「健康面」「住宅自体の強度」など様々な視点が関わる部分ですので、一概に答えを出すことはできません。
この記事を読んで、ご自身の家づくりについて気になる事がございましたらお気軽にお問合せください。
価値観に合わせた高性能な住宅を一緒に考えてみましょう。